適切なコンクリートの使用
沖縄の住宅は一般的に一戸建てでも台風やシロアリに強いRC住宅が建てられます。これは木造が多い本土の住宅とは様々な点で全くコンセプトが異なります。
木造住宅はRCと比較すると安価に建てられるという利点がありますが、通常の木造住宅は沖縄の気候には耐えられません。沖縄の気候を考えた場合、木造モルタルは沖縄の台風には耐えられず、ツーバイフォーの住宅は湿気の多い亜熱帯の強力なシロアリに弱いという欠点があります。
戦後の焼け野原の沖縄にすぐに米国から導入されたホワイトウッドで建てられたツーバイフォーの住宅はほとんどがシロアリに食い尽くされたと言います。東京の代々木公園一帯にあった米軍ハウスは木造で建てられ、今でも一部が残っていますが、沖縄の米軍住宅はコンクリートのシンプルな平屋根の住宅が建てられました。その米軍住宅の建築ノウハウが沖縄の建設会社で育ち、沖縄の建設業者のスラブの技術は全国でも有数のものとなりました。
しかしながら、県内には経年劣化でコンクリートが庇の当たりからボロボロに剥がれて落ちて行く住宅を見る事がよくあります。コンクリートの密度は、水量に左右されますが、水量が多く密度が低いコンクリートは水の浸入を許容しやすくなります。その上、庇の下部は日陰になり易く湿気が乾きにくいので、年月に従って侵入した水分が鉄筋に達し、膨張して割れてしまうのです。
一方で欧米、たとえばニューヨークには100年以上経っても立派に建っている建築物があります。このように世代を経て継がれて行く建物もあれば、数千万から数億円もかけてたてられた建物が数35年でぼろぼろになるということがあります。この建物の寿命を左右しているのは、やはりコンクリートの質です。
コンクリートはその材料に合わせた、いくつかの強度基準や質量がありますが、私たちは強度の高い適切なコンクリートを適切な場所に施工する事で、100年もの年月に耐え得る、子や孫に世代を経て継がれて行くコンクリート住宅の建築を目指します。
メンテナンスが容易な給水・排水システム
建物の給水設備に、かつては鉛の水道管が使われていた時代がありましたが、その水道管の鉛が水に溶け出したり、錆びによって腐食し水漏れがおきるなど様々な問題があることから、今日の通常の沖縄の建築工法では、給水や排水管は塩化ビニールのパイプが使われています。
しかしその給水管はコンクリートの打設時に一緒にコンクリート内に埋められるのが殆どです。もし、地震などによって建物がきしみ、亀裂が発生したパイプから水漏れが発生したらどうなるでしょうか。水漏れが起きた箇所からは水がコンクリート内に流れ、水に反応した鉄筋が錆びて膨張しコンクリートは割れてしまいます。
アドバイスホームはこのような給水・排水のメンテナンスを容易にし、水が原因の不具合を防ぐ為に、コンクリート内に埋めない配管施工を行なっています。また使用する給水管はポリエチレン管を使用します。
ポリエチレン管は、軽く、柔らかくて、取り扱いが楽なうえに接続もワンタッチで、耐衝撃性、耐食性、耐熱性に優れているという特長があります。配管は、電気と同じく、建物の非常に重要な設備です。建物の寿命を伸ばす意味でも配管設計は非常に重要です。